👶 小児科

子どもの発熱
受診目安と家庭でのケア

🩺 院長 矢田篤司 監修 📅 公開 2026-06-11
子どもの発熱 受診目安 熱性けいれん 解熱剤 小児科

子どもが急に熱を出すと、保護者の方は「すぐ病院に連れて行くべきか」「夜中でも救急に行くべきか」と不安になることがあります。

発熱は体がウイルスや細菌と戦っているサインであり、多くの場合は数日で回復していきます。一方、年齢や症状によっては早めの対応が必要なこともあります。このページでは、子どもの発熱の受診目安と家庭でのケアについてまとめています。

1. 子どもの発熱とは——体温の目安と発熱の仕組み

一般的に、体温が37.5℃以上を発熱と呼ぶことが多いですが、子どもは大人より平熱が高めで、37.0〜37.4℃台が平熱の子もいます。

重要なのは「何℃か」だけでなく、いつもと比べてどれくらい高いか・どんな様子かを合わせて判断することです。

🌡️ 子どもの体温の目安(脇の下で測定)
  • 平熱の目安: 36.0〜37.4℃(個人差あり)
  • 37.5℃以上: 発熱の目安
  • 38.0℃以上: 中程度の発熱
  • 39.0℃以上: 高熱

体温計の測る部位によって数値が異なります(直腸温が最も高め)。普段から同じ部位・方法で測るようにしましょう。

なぜ子どもは熱を出しやすいのか

子どもは免疫機能がまだ発達の途中にあるため、大人と比べてさまざまなウイルス・細菌への抵抗力が低く、感染症にかかりやすい時期が続きます。集団保育(保育園・幼稚園)が始まると、初めて接触するウイルスに次々とさらされるため、1年間に何度も発熱することも珍しくありません。

2. 年齢別の受診目安

子どもの発熱の受診目安は、年齢によって大きく異なります。特に乳児期(生後12か月未満)は、小さな体で発熱するだけで全身への影響が大きいため、注意が必要です。

生後3か月未満の乳児

⚠️ 生後3か月未満の発熱は急いで受診してください

生後3か月未満の赤ちゃんに38.0℃以上の発熱がある場合は、重篤な感染症が隠れている可能性があります。元気そうに見えても、早めの受診をおすすめします。夜間・休日の場合も救急受診をご検討ください。

生後3か月〜1歳未満

38℃以上の発熱が続く場合は医療機関への受診をおすすめします。ただし、元気で水分が取れており、機嫌も悪くない場合は、翌朝受診でも対応できることがあります。呼吸の様子・顔色・水分摂取量を注意深く観察してください。

1歳〜就学前

📋 1〜5歳の受診の目安
  • 38.5℃以上が半日〜1日続く場合 → 受診をご検討ください
  • 39℃以上の発熱 → 早めの受診をおすすめします
  • 発熱が3日以上続く場合 → 原因確認のため受診をおすすめします
  • 機嫌が悪くぐずりがひどい・水分が取れない場合 → 早めに受診してください

小学生以上

38.5℃以上の発熱が2日以上続く場合や、強いのどの痛み・耳の痛み・頭痛を伴う場合は受診をご検討ください。熱はあっても元気で水分・食事が取れている場合は、翌日の受診でも対応できることが多いです。

3. こんな症状があれば早めに受診を

体温の高さだけでなく、以下のような症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

⚡ 早めの受診をおすすめするサイン
  • ぐったりして反応が鈍い・呼びかけへの反応が弱い
  • 水分が全く取れない・おしっこが8時間以上出ていない
  • 激しい頭痛・首が硬くて前に曲がらない
  • 耳を痛がる・強いのどの腫れ・飲み込めない
  • 咳がひどくて眠れない・息を吸うと肩が動く(呼吸困難感)
  • 発疹が出ている(特に赤紫の点状の発疹)
  • 以前に熱性けいれんを起こしたことがある

また、発熱とともに皮膚の発疹が現れた場合は、はしか・風疹・水ぼうそう・りんご病など感染力の強い疾患の可能性があります。受診前にクリニックへお電話いただくと、他の患者さんへの感染拡大防止のための対応をご案内できます。

→ 関連コラム:発熱と発疹ではしかが心配な方へ|来院前に必ず電話を

4. 救急・緊急受診が必要なサイン

🚨 救急車・救急病院をご検討ください
  • けいれんが起きた(初めての場合は止まった後も受診を)
  • 呼吸が苦しそう・唇が紫色になっている(チアノーゼ)
  • 意識がない・呼びかけても反応しない
  • 生後3か月未満で38.0℃以上の発熱
  • けいれんが5分以上続いている・何度も繰り返している
  • 激しい嘔吐が続き、水分が全く取れない

熱性けいれんが起きたときの対応

発熱中にけいれんが起きた場合は、まず落ち着いて以下を確認・対応してください。

  1. 衣服の首元をゆるめ、横向きに寝かせる
  2. 口の中に何も入れない(タオルなどを詰めない)
  3. けいれんの様子・時間を記録する(スマートフォンの動画も有効)
  4. 5分以上続く場合は救急車を呼ぶ

熱性けいれんは多くの場合数分以内に自然に止まります。初めて経験した場合は、止まった後でも受診してください。

夜中に迷ったら「#8000」を活用してください

📞 小児救急電話相談(#8000)

夜間・休日に子どもの具合が心配になったとき、受診すべきか判断に困ったときは「#8000」に電話することで、看護師・医師に相談することができます(愛知県でも対応しています)。

5. 家庭でできるケアのポイント

発熱中は以下のような家庭ケアが子どもの辛さを和らげるのに役立ちます。

水分補給が最優先

発熱中は汗をかいたり呼吸が増えたりすることで水分が失われやすくなります。水・麦茶・経口補水液など、飲みやすいものをこまめに少量ずつ補給してください。母乳やミルクも積極的に飲ませましょう。

⚠️ 脱水のサインに注意
  • 8時間以上おしっこが出ていない
  • 泣いても涙が出ない
  • 唇や口の中が乾燥している
  • 目がくぼんでいる・皮膚の張りがない

このような場合は早めに医療機関を受診してください。

環境づくり

部屋は適度に涼しく保ち(26〜28℃程度)、風が直接当たらないようにしましょう。着替えさせすぎず、汗をかいたら清潔なものに替えてください。寒がっているときは薄めの毛布などで保温します。

解熱剤の使い方

小児用の解熱剤(アセトアミノフェン製剤)は、38.5℃以上で辛そうな場合や、ぐずりがひどい場合に使うことを検討できます。解熱剤は熱の原因を治すものではありません。使用量・使用間隔は必ず用法・用量を守ってください。

💊 解熱剤使用の注意点
  • アスピリン(バファリンなど)は子どもへの使用は勧められていません
  • イブプロフェンは水ぼうそう・インフルエンザ疑いの場合は避けてください
  • アセトアミノフェン(カロナールなど)が子どもには一般的です
  • 使い方や量が不安な場合はかかりつけ医にご確認ください

食事について

食欲がない場合は無理に食べさせなくても構いません。消化の良いもの(おかゆ・うどん・ゼリーなど)を少量ずつ食べられれば十分です。ただし水分補給だけは意識してください

6. よくある質問(FAQ)

Q. 子どもが38℃を超えました。すぐに受診すべきですか?

38℃以上の発熱でも、元気で水分が取れており、顔色が良い場合は翌日の受診でも対応できることがあります。ただし、生後3か月未満の乳児・ぐったりして反応が乏しい・水分が全く取れない・けいれんが起きた・呼吸が苦しそうなどのサインがある場合は、早めにご受診ください。

Q. 夜中に子どもが発熱しました。救急に行くべきですか?

けいれんが起きた・呼吸が明らかにおかしい・意識がぼんやりしている・生後3か月未満で発熱しているなどの場合は、救急への受診をご検討ください。熱はあるが機嫌が悪くない・水分が取れている場合は、朝まで様子をみて翌日の受診でも対応できることが多いです。不安な場合は「#8000(小児救急電話相談)」にお電話ください。

Q. 子どもに解熱剤を使ってもよいですか?

小児用の解熱剤(アセトアミノフェン製剤)は、38.5℃以上で辛そうな場合に使うことを検討できます。解熱剤は熱の原因を治すものではなく、辛い症状を和らげるためのものです。アスピリンは子どもへの使用は勧められていません。使い方や量が不安な場合は医師・薬剤師にご確認ください。

Q. 熱性けいれんが起きました。どう対応すればよいですか?

けいれん中は、衣服をゆるめて横向きに寝かせ、口の中に何も入れないようにしてください。多くは数分以内に自然に止まります。5分以上続く場合・止まっても意識が戻らない場合は、救急車を呼ぶことをご検討ください。初めてのけいれんの場合は止まった後でも受診をおすすめします。

Q. 発熱と同時に発疹が出ました。受診前に気をつけることはありますか?

発熱と発疹が同時に出た場合は、はしか・風疹・水ぼうそうなどの感染症の可能性があります。感染力が強いため、受診前にお電話でご連絡ください。クリニックで他の患者さんへの感染を防ぐ対応をご案内します。発疹が出血点状(赤紫の点)の場合は早めの受診をご検討ください。

→ 大人の発熱の受診目安については:発熱があるとき何科を受診する?受診目安と注意すべき症状

→ 夏かぜ・感染症の関連コラム:子どもの夏かぜ——ヘルパンギーナ・手足口病・咽頭結膜熱の見分け方

院長 矢田篤司

矢田 篤司

みなとファミリークリニック 院長

三重大学医学部卒。内科・小児科・皮膚科・リハビリ科を擁する地域密着型クリニックの院長として、総合診療・家庭医の考え方を大切にしています。

→ 院長プロフィール

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