🏥 内科・小児科

腹痛・下痢・嘔吐があるとき
受診目安と家庭でのケア

🩺 院長 矢田篤司 監修 📅 公開 2026-06-11
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腹痛・下痢・嘔吐は、多くの方が日常的に経験する症状です。多くの場合は感染性胃腸炎(いわゆる「お腹の風邪」)や食あたりなどが原因で、数日で回復していきます。

一方で、症状の程度・続く期間・伴う症状によっては、早めの受診や緊急対応が必要なこともあります。このページでは、腹痛・下痢・嘔吐の受診目安と家庭でのケアについてまとめています。

1. 腹痛・下痢・嘔吐の主な原因

感染性胃腸炎(ウイルス性・細菌性)

腹痛・下痢・嘔吐の最も多い原因のひとつです。ノロウイルス・ロタウイルス・サルモネラ菌・カンピロバクターなどが代表的です。感染力が強いものも多く、家庭内での二次感染に注意が必要です。

食中毒

細菌・ウイルス・自然毒(きのこ・魚介類など)に汚染された食品を食べた後に起こります。食後の発症時間は原因によって異なりますが、数時間〜24時間以内に発症することが多いです。

その他の原因

  • 過敏性腸症候群(ストレス・生活習慣が関与するもの)
  • 炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎など)
  • 薬剤性(抗生物質・鎮痛薬などの副作用)
  • 虫垂炎(盲腸)・腸閉塞など外科的疾患
  • 胆石症・膵炎(みぞおち〜右上腹部の強い痛みを伴う)
💡 「胃腸炎」と「食中毒」の違い

感染性胃腸炎はウイルスや細菌が消化管に感染して起こるもの全般を指します。食中毒は汚染された食品や飲み物を介して発症したものを指します。医療機関での診断・治療の流れに大きな違いはありませんが、食中毒が疑われる場合は保健所への届け出が必要なケースがあります。

2. 受診すべきタイミング——大人の場合

以下に当てはまる場合は、医療機関への受診をご検討ください。

⚡ 大人の受診目安
  • 下痢が3日以上続いている
  • 血便・粘液便が出ている
  • 発熱(38℃以上)を伴っている
  • 水分が全く取れない・とろうとしても嘔吐してしまう
  • 強い腹痛が続いている・痛みが増している
  • 同じものを食べた複数の人に同様の症状が出ている
  • 海外渡航後に発症した下痢・腹痛

市販薬(下痢止め)の使い方について

感染性胃腸炎では、下痢によってウイルス・細菌を体外に出そうとしている側面もあります。むやみに下痢止め薬を使うことで症状が長引くこともあるため、医師の指示なく使用する際は注意が必要です。体力の消耗・脱水が心配な場合は受診をご検討ください。

一方で、血便・便秘と下痢の繰り返し・便が細くなる・体重減少・貧血などを伴う場合には、大腸がんなどの病気が隠れていることもあります。急な胃腸症状とは別に、このような症状が続く場合は自己判断せず医療機関で相談しましょう。

→ 内科での診療について:内科のご案内

3. 受診すべきタイミング——子どもの場合

子ども、特に乳幼児は脱水が速く進みやすいため、大人よりも早めの対応が必要です。

⚡ 子どもの受診目安
  • 嘔吐が4〜5回以上続いている
  • 下痢が1日に何度も出て止まらない
  • おしっこが6時間以上出ていない(乳幼児)
  • 水分(母乳・ミルク・経口補水液)が取れない
  • 発熱を伴っている・ぐったりしている
  • 血便が出ている
  • 生後3か月未満で嘔吐・下痢が続いている

ロタウイルス・ノロウイルス胃腸炎について

乳幼児に多いロタウイルス胃腸炎は、激しい嘔吐・下痢と発熱を伴い、白っぽい便が出ることがあります。感染力が強く、脱水が急速に進む場合があります。ロタウイルスには予防接種(任意接種)があり、当院でも対応しています。

→ 小児科での診療について:小児科のご案内
→ 予防接種・感染症予防について:予防接種・検診ガイド

4. 緊急性が高いサイン

🚨 緊急受診・救急車が必要なサイン
  • 突然の激しい腹痛(「今まで経験したことのない」ような痛み)
  • お腹が板のように硬くなっている
  • 血便が大量に出ている
  • 嘔吐物や便が黒い(コールタール状)・コーヒー色
  • 意識が朦朧としている・ぐったりして動けない
  • 激しい嘔吐と背中への強い痛みが続く(膵炎疑い)
  • 右下腹部の強い痛みが続く(虫垂炎疑い)
  • 子どもが泣き止まない・顔色が悪い

腸重積(乳幼児の緊急症状)

1歳前後の乳幼児で、急に激しく泣いては静まる「間欠的な腹痛」が繰り返される場合は、腸が折り重なる「腸重積」の可能性があります。いちごジャム状の血便が出ることもあります。早急な処置が必要ですので、すぐに医療機関を受診してください。

5. 家庭でできるケアのポイント

水分補給が最優先——脱水を防ぐ

嘔吐・下痢による最大のリスクは脱水です。症状が続いている間は、こまめな水分補給を心がけてください。

💧 嘔吐があるときの水分補給の目安
  • 嘔吐直後は30分〜1時間ほど何も飲まずに胃を休める
  • その後、スプーン1〜2杯(5〜10mL)から少量ずつ始める
  • 飲んでも吐かなければ、量を少しずつ増やす
  • 経口補水液(OS-1など)・麦茶・薄めたスポーツドリンクなどが適している
  • 一度に大量に飲むと嘔吐しやすいので「少量を頻回に」が基本

脱水のサインを見逃さない

  • おしっこの量が減る・色が濃くなる
  • 口や唇が乾燥している
  • 泣いても涙が出ない(乳幼児)
  • ぐったりして反応が弱い
  • 皮膚をつまんで戻りが遅い

このようなサインが見られたら早めに医療機関を受診してください。

食事について

嘔吐がある間は食事を控え、水分補給を優先してください。嘔吐が落ち着いてきたら、おかゆ・うどん・トースト・スープなど消化の良いものから少量ずつ始めましょう。脂っこいもの・乳製品・生ものは症状が落ち着くまで避けるようにしてください。

感染拡大を防ぐために

ノロウイルスなどの感染性胃腸炎は感染力が強いです。トイレ後・食事前の手洗いを徹底し、ウイルスに汚染された場所は次亜塩素酸ナトリウムで消毒することが有効です。嘔吐物の処理には使い捨て手袋・マスクを着用してください。

6. よくある質問(FAQ)

Q. 下痢が続いています。何日くらいで受診すればよいですか?

下痢が3日以上続く場合は医療機関への受診をご検討ください。血便・粘液便が出る・発熱を伴う・水分が取れない・ぐったりしているなどの症状がある場合は、日数に関わらず早めの受診をおすすめします。

Q. 嘔吐が続いて水分も取れません。受診は必要ですか?

嘔吐が続いて水分が全く取れない状態は脱水のリスクがあるため、早めの受診をおすすめします。少量の水分(スプーン1〜2杯)を5〜10分おきに試してみて、それも嘔吐してしまう場合は受診の目安の一つです。乳幼児・高齢者は特に早めの対応をご検討ください。

Q. 食後に腹痛・下痢になりました。食中毒の可能性はありますか?

食後数時間〜24時間以内に腹痛・下痢・嘔吐が起きた場合、食中毒の可能性があります。同じものを食べた複数の人に同様の症状が出ている場合はより可能性が高まります。血便・高熱・神経症状(しびれ・視力異常など)を伴う場合は早めに受診してください。

Q. 腹痛があります。内科と消化器科のどちらを受診すればよいですか?

まずはかかりつけの内科や近くの内科クリニックを受診することをおすすめします。症状の経過や検査結果に応じて、専門科への紹介が必要と判断した場合はご案内します。突然の激しい腹痛・板のように硬くなるお腹・血便などがある場合は、救急受診をご検討ください。

Q. 子どもが嘔吐・下痢をしています。何科を受診すればよいですか?

お子様(中学生以下を目安)は小児科への受診をおすすめします。嘔吐・下痢に加えて発熱・ぐったりした様子・水分が取れない・血便などがある場合は早めに受診してください。生後3か月未満の乳児で嘔吐・下痢が続く場合は特に早めの受診をご検討ください。

→ 子どもの発熱が心配な方は:子どもの発熱|受診目安と家庭でのケア

→ 発熱の受診目安(大人向け):発熱があるとき何科を受診する?受診目安と注意すべき症状

院長 矢田篤司

矢田 篤司

みなとファミリークリニック 院長

三重大学医学部卒。内科・小児科・皮膚科・リハビリ科を擁する地域密着型クリニックの院長として、総合診療・家庭医の考え方を大切にしています。

→ 院長プロフィール

腹痛・下痢・嘔吐が続くときはご相談ください

内科では胃腸症状全般に対応しています。お子様は小児科へどうぞ。
症状が続く場合はお早めにお越しください。