「突然どきどきする」「脈が速い」「脈が飛ぶ感じがする」——こうした症状を「動悸」といいます。一過性の場合や、運動・緊張などの明らかなきっかけがある場合は心配が少ないこともありますが、繰り返す場合や症状が強い場合は一度受診を検討することをおすすめします。
この記事では、動悸の主な原因・受診の目安・緊急サインについて一般的な情報をまとめています。
💡 このような方へ
- 突然どきどきする・胸がドクドクする感じが続く方
- 脈が速い・脈が飛ぶ感じがする方
- 安静にしているのに脈が速い方
- 動悸に加えて疲れやすい・体重が減っている方
- 以前から動悸を感じているが受診していない方
① 動悸とはどのような感覚か
動悸とは、自分の心臓の拍動が「強くなった」「速くなった」「飛んだ」「乱れた」ように感じる状態の総称です。症状の感じ方には個人差があり、「胸がドクドクする」「脈が数えられるほど強く打つ」「急に心拍が速くなる」「一瞬ドクンと来て止まる感じ」など様々な表現があります。
動悸が起きる背景も多岐にわたるため、症状だけでは原因を特定することはできません。受診時に症状の特徴を具体的に伝えることが診察の助けになります。
② 動悸の主な原因
不整脈
心臓の電気信号が乱れることで脈が速くなる・遅くなる・飛ぶといった変化が起きます。期外収縮(脈が飛ぶ感じ)は健康な方にも見られることがありますが、頻度が多い場合や強い動悸を感じる場合は確認が必要です。頻脈性の不整脈(心房細動など)は治療が必要な場合があります。
貧血
赤血球やヘモグロビンが少なくなると、体が酸素不足を補うために心拍数を上げることがあります。疲れやすさ・息切れ・めまいを伴う動悸は、貧血を背景としていることがあります。貧血コラムもご参照ください。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰になると、安静時の心拍数増加・手の震え・体重減少・発汗増加・暑がりなどを伴う動悸が現れることがあります。血液検査で甲状腺ホルモン値を確認することができます。
低血糖・脱水
血糖値が急激に下がったときや脱水状態では、動悸・冷や汗・手の震えが現れることがあります。特に糖尿病の薬を服用している方は注意が必要です。
ストレス・過呼吸・カフェイン
過度なストレス・睡眠不足・過呼吸(過換気症候群)・カフェインの過剰摂取なども動悸の原因となることがあります。これらが原因の場合でも、症状が繰り返すときは他の原因を除外する確認が大切です。
③ 受診の目安
次のような場合は内科への受診をご検討ください。
- 動悸が繰り返し起きる(週1回以上など)
- 動悸が数分以上続く
- 安静時にも脈が速い
- 動悸に加えて疲れやすさ・体重変化・手の震え・発汗増加がある
- 動悸に加えてめまい・息切れがある
- 健診で心電図異常を指摘されたことがある
📋 受診時に伝えると役立つ情報
- 動悸が出た日時・持続時間・頻度
- 症状が出たときの行動(安静中・運動中・食後など)
- そのときの心拍数(スマートウォッチ・脈計測などで記録した場合)
- 他の症状(めまい・息切れ・胸痛・手の震えなど)
- 服用中の薬・サプリメント
④ 救急・早急受診が必要なサイン
⚠️ 次の症状を伴う場合は速やかに救急外来を受診するか、119番・#7119に相談してください
- 胸の強い痛み・圧迫感
- 息ができない感じ・激しい息切れ
- 失神・意識を失いそうな感じ
- 唇・指先が青紫色になる
- 大量の冷や汗が出る
- 脈が非常に速い状態が止まらない(目安:180回/分以上が続く)
⑤ 受診時に確認すること
内科受診では、問診・聴診・血圧測定・心電図検査などが行われることがあります。症状が来院時に出ていない場合でも、心電図の記録や血液検査(甲状腺・貧血・血糖など)でヒントが得られることがあります。
症状が頻繁に出る場合は、24時間心電図(ホルター心電図)が必要な場合もあります。受診後にご案内します。
⑥ 自己対応の注意点
- カフェイン(コーヒー・エナジードリンクなど)を過剰に摂取している場合は、一時的に減らすことが参考になることがあります
- 睡眠不足・過度なストレスは動悸を悪化させることがあります
- 市販の「強心薬」「心臓に効く」と書かれた製品の使用は、受診前に医師にご相談ください
- 脈が速い・飛ぶ感じが続く場合は、自己判断で様子を見続けることはお勧めしません
⑦ よくある質問
動悸があるとき、まず何科を受診すればよいですか?
まず内科への受診をご検討ください。胸痛・失神・息切れを伴う場合は早めに受診が必要です。内科では問診・聴診・心電図検査などで状態を確認し、必要に応じて循環器科・内分泌科などへの紹介をご案内します。
動悸は受診のタイミングが難しいですが、どうすればよいですか?
動悸の多くは来院時には落ち着いていることがあります。症状が出た日時・持続時間・心拍数・きっかけをメモしておくと診察の参考になります。ホルター心電図(24時間記録)が必要な場合は、来院後にご案内します。
脈が「飛ぶ」感じがします。危ないですか?
脈が飛ぶ感じ(期外収縮と呼ばれる不整脈の一種)は、健康な方にも見られることがありますが、頻度が多い・動悸や胸痛を強く感じる場合は受診をご検討ください。症状だけで危険か否かを判断することはできないため、心電図での確認をおすすめします。
動悸の原因として何が考えられますか?
動悸の原因は多岐にわたります。不整脈(期外収縮・頻脈性不整脈など)・貧血・甲状腺機能亢進症・低血糖・脱水・過換気・ストレス・カフェイン・睡眠不足などが代表的です。原因を特定するには血液検査・心電図などの検査が必要です。
動悸と胸痛が同時にあります。救急を受診すべきですか?
動悸に胸の強い痛み・圧迫感・息ができない感じ・失神・唇や指の色が悪い・大量の冷や汗などを伴う場合は、速やかに救急外来を受診するか、救急車(119番)を呼ぶことをご検討ください。
甲状腺と動悸は関係がありますか?
甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症では、安静時の脈拍増加・体重減少・手の震え・発汗増加などを伴う動悸が現れることがあります。血液検査で甲状腺ホルモン値を確認することができます。
📚 参考情報
- 日本循環器学会 不整脈に関する診療ガイドライン(参考)
- 消防庁 救急安心センター事業(#7119)
- 本記事の内容は、みなとファミリークリニック院長が2026年6月時点の一般的な医学情報をもとに監修しています。個別の診断・治療方針については受診時にご確認ください。