健康診断や人間ドックの心電図検査で「要再検査」「要精密検査」「不整脈の疑い」などと指摘されると、不安に感じる方も多いと思います。心電図異常には、経過観察でよいとされるものから、詳しい検査が推奨されるものまで幅があり、結果票の文言だけで重症度を判断することはできません。
この記事では、健診で心電図異常を指摘されたときの一般的な考え方・受診の目安について、断定を避けながら解説します。個別の診断や治療方針は、実際の心電図所見・症状・既往歴を確認したうえで医師が判断します。
💡 このページで分かること
- 健診の心電図異常で考えられる所見の種類
- 症状がなくても受診を検討したほうがよい理由
- 内科で確認できること
- 緊急性を判断する目安
① 心電図異常とはどのようなことか
心電図検査は、心臓が拍動するときに生じる微弱な電気信号を波形として記録する検査です。健診の心電図では、この波形のパターンをもとに「所見あり」「要経過観察」「要再検査」などと判定されることがあります。
心電図の所見は、健康な方にもみられるものから、追加の検査が推奨されるものまで幅広く、所見名だけで病気の有無や重症度を判断することはできません。健診結果票に記載された内容を確認したうえで、内科などにご相談いただくことをおすすめします。
② よくある心電図所見の種類
期外収縮
本来のリズムより早いタイミングで心臓が収縮する所見です。健康な方にもみられることがあり、頻度や自覚症状の有無によって対応が異なります。
脚ブロック
心臓内の電気の伝わり方に関する所見です。所見の種類によって、経過観察でよい場合と、詳しい検査が推奨される場合があります。
ST-T変化
心電図の波形の一部に変化がみられる所見です。虚血性心疾患など、確認が必要な状態と関連することがあるため、内科での相談が推奨されることが多い所見です。
心房細動などの不整脈
心房が細かく震えるように動く不整脈で、健診の心電図で偶然見つかることもあります。症状の有無にかかわらず、確認が必要とされることがあります。
※上記は一般的な分類の紹介であり、個々の所見がどれに該当するか、どの程度の確認が必要かは、実際の心電図をもとに医師が判断します。
③ 受診の目安
次のような場合は、内科への受診をご検討ください。
- 健診結果票に「要再検査」「要精密検査」と記載されている
- 心電図異常について具体的な説明を受けたことがない
- 動悸・息切れ・胸の違和感などの症状がある
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症など、他の生活習慣病の指摘もある
- 以前の健診でも心電図異常を指摘されたことがある
📋 受診時に伝えると役立つ情報
- 健診結果票(心電図の判定・コメント欄を含む)
- 動悸・息切れ・胸の違和感などの自覚症状の有無
- 過去の健診結果との比較(以前も指摘があったか)
- 高血圧・糖尿病など他の持病の有無
- 服用中の薬・サプリメント
④ 緊急受診が必要なサイン
⚠️ 次の症状がある場合は、健診結果を待たず速やかに救急外来を受診するか、119番・#7119に相談してください
- 胸の強い痛み・圧迫感
- 突然の激しい息苦しさ
- 意識が遠のく感じ・失神
- 脈が非常に速い、または極端に遅い状態が続く
- 唇や指先が青紫色になる
⑤ 内科で確認すること
内科では、問診・聴診・血圧測定に加え、必要に応じて心電図の再検査や血液検査を行うことがあります。所見の内容や症状によっては、24時間心電図(ホルター心電図)や、より詳しい検査ができる医療機関をご案内することがあります。
健診結果票をお持ちいただくと、数値や所見を確認しながらご案内しやすくなります。
⑥ 自己判断の注意点
- 症状がないからといって、心電図異常の指摘を自己判断で放置しないようにしましょう
- 市販のサプリメントや健康食品で不整脈が改善するという確立した根拠はありません
- 「以前も指摘されたが問題なかったから今回も大丈夫」と自己判断せず、再検査の指示があった場合は確認することをおすすめします
⑦ よくある質問
健診で心電図異常と言われました。すぐに心配すべきですか?
心電図の所見にはさまざまな種類があり、経過観察でよいとされるものから、詳しい検査が推奨されるものまで幅があります。数値や所見だけで重症度を判断することはできないため、まずは内科などで結果票をご確認のうえ、再検査の要否をご相談ください。
心電図異常には具体的にどのようなものがありますか?
期外収縮・脚ブロック・ST-T変化・心房細動などがあり、それぞれ意味合いが異なります。健康な方にもみられる所見がある一方、追加の検査が推奨される所見もあり、個別の判断は医師が行います。
症状が何もないのですが、それでも受診が必要ですか?
心電図異常の多くは自覚症状を伴わないことがあります。「要再検査」「要精密検査」と判定された場合は、症状の有無にかかわらず内科などで確認されることをおすすめします。
内科ではどのようなことを確認しますか?
問診・聴診・血圧測定に加え、必要に応じて心電図の再検査や血液検査を行うことがあります。所見の内容によっては、より詳しい検査ができる医療機関をご案内することがあります。
動悸などの症状がある場合との違いは何ですか?
動悸など自覚症状がある場合は「動悸・脈が速いとき」のコラムもあわせてご参照ください。健診の心電図異常は、自覚症状がなくても指摘されることがある点が異なります。
緊急で受診すべき場合はありますか?
健診結果の指摘自体が緊急事態を意味するとは限りません。ただし、胸の痛み・強い息苦しさ・意識が遠のく感じなどを伴う場合は、健診結果を待たず速やかに医療機関や救急外来にご相談ください。
📚 参考情報
- 日本循環器学会/日本不整脈心電学会「2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Takase.pdf)
- 消防庁 救急安心センター事業(#7119)
- 本記事の内容は、みなとファミリークリニック院長が2026年8月時点の一般的な医学情報をもとに監修しています。個別の診断・治療方針については受診時にご確認ください。