健康診断や大腸がん検診で便潜血検査が「陽性」「要精密検査」と判定されると、「大腸がんではないか」と不安になる方も多いと思います。便潜血陽性は大腸がんを意味するとは限りませんが、原因を確認せずに放置してよいものでもありません。
この記事では、便潜血陽性の一般的な考え方、精密検査の重要性、受診の目安について解説します。個別の診断・治療方針は、実際の検査結果をもとに医師が判断します。
💡 このページで分かること
- 便潜血検査とはどのような検査か
- 陽性のときに考えられる原因
- 再検査だけで済ませてはいけない理由
- 受診の目安
① 便潜血検査とは
便潜血検査は、便に混じったわずかな血液を検出する検査で、大腸がん検診で広く用いられています。多くは2日分の便を採取して調べる方法(2日法)が採用されています。この検査は、症状がない段階でも大腸の出血を伴う病気を見つけるきっかけになります。
② 陽性のときに考えられる原因
便潜血が陽性になる原因は一つではありません。次のようなものが知られています。
- 痔:肛門周囲からの出血で陽性になることがあります
- 大腸ポリープ:良性の場合が多いですが、種類によっては将来がん化することもあります
- 大腸の炎症:炎症性の病気などで出血することがあります
- 大腸がん:早期には自覚症状がないことも多く、便潜血検査で見つかることがあります
便潜血陽性だけで、これらのどれが原因かを判断することはできません。原因を確認するためには精密検査が必要です。
③ 再検査だけで済ませないことの大切さ
⚠️ 便潜血の再検査は精密検査の代わりにはなりません
「もう一度便潜血検査を受ければ大丈夫」と考える方もいらっしゃいますが、便潜血検査を繰り返し受けることは、精密検査(大腸内視鏡検査など)の代わりにはならないとされています。「要精密検査」と判定された場合は、症状の有無にかかわらず精密検査を受けることが推奨されています。
精密検査として一般的に行われるのは大腸内視鏡検査です。当院で内視鏡検査を実施しているかどうかは診察時にご確認ください。必要に応じて、検査が可能な医療機関をご案内することがあります。
④ 緊急受診が必要なサイン
⚠️ 次の症状がある場合は、速やかに医療機関または救急外来にご相談ください
- 大量の下血(鮮血が便器を赤く染めるほど)
- 黒い便(タール便)が続く
- 強い腹痛を伴う
- ふらつき・冷や汗・意識が遠のく感じを伴う
⑤ 受診時に伝えると役立つ情報
内科では、問診に加え、症状や既往歴の確認を行います。結果によっては、精密検査が可能な医療機関をご案内することがあります。
📋 受診時に伝えると役立つ情報
- 健診結果票(便潜血の判定・コメント)
- 痔の既往や自覚症状の有無
- 便の色・形状の変化
- 体重の変化、貧血を指摘されたことがあるか
- 大腸の病気の家族歴
⑥ よくある質問
便潜血検査が陽性でした。大腸がんということですか?
便潜血陽性は大腸がんを意味するとは限りません。痔、ポリープ、炎症など様々な原因で陽性になることがあります。ただし、原因を確認するための精密検査が推奨されます。
便潜血の再検査を受ければよいですか?
便潜血検査をもう一度受けることは、精密検査の代わりにはなりません。「要精密検査」と判定された場合は、大腸内視鏡検査などの精密検査を受けることが推奨されています。
どのような精密検査が行われますか?
一般的に大腸内視鏡検査が行われます。当院で内視鏡検査を実施しているかどうかは診察時にご確認ください。必要に応じて、検査が可能な医療機関をご案内することがあります。
症状がなくても精密検査は必要ですか?
はい。大腸がんやポリープは、自覚症状がない段階で便潜血検査により発見されることがあります。症状がないからと放置せず、精密検査の受診をご検討ください。
痔があるのですが、それが原因で陽性になることもありますか?
はい、痔が原因で便潜血が陽性になることがあります。ただし、痔があるからといって大腸がんの可能性を否定できるわけではないため、自己判断せず医療機関にご相談ください。
緊急に受診したほうがよい症状はありますか?
大量の下血、黒い便(タール便)、強い腹痛、ふらつきや意識が遠のく感じを伴う場合は、速やかに医療機関または救急外来にご相談ください。
📚 参考情報
- 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」(https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html)
- 本記事の内容は、みなとファミリークリニック院長が2026年8月時点の一般的な医学情報をもとに監修しています。個別の診断・治療方針については受診時にご確認ください。