「熱中症は屋外で起こるもの」と思われがちですが、実際には室内での発症が全体の約4割以上を占めるとされています。夏の高温多湿な環境では、エアコンのない部屋・風通しの悪い場所にいるだけで体温調節が乱れることがあります。名古屋市港区の当院でも、夏になると室内熱中症でご来院される方が少なくありません。
① 室内でも起こる熱中症の実態
熱中症は、気温・湿度・体温調節能力のバランスが崩れることで起こります。室内でも以下のような状況では発症リスクが上がります。
- エアコンを使用していない、または設定温度が高い部屋
- 浴室・トイレ・台所など熱がこもりやすい場所
- 夜間に窓を閉め切ったまま就寝している
- 体調不良・体力低下がある状態
とくに夜間〜早朝の「見えない熱中症」に注意が必要です。気づかないうちに脱水が進み、翌朝ぐったりしているというケースもあります。
⚠️ 室内熱中症が起こりやすいタイミング
- 梅雨明け直後:急激な気温上昇に体が慣れていない時期
- 台風通過後:高温多湿が一気に広がる時期
- 7〜8月の夜間:熱帯夜が続くと体が回復できない
② 水分・環境・服装の予防策
水分補給のポイント
「のどが渇いてから飲む」では遅いことがあります。特に高齢者はのどの渇きを感じにくくなるため、時間を決めてこまめに水分を補給する習慣が大切です。
💧 水分補給の目安
- 1時間に200〜300mL程度を目安に
- 起床後・食事前・入浴前後は必ず飲む
- 大量に汗をかいた場合は水+塩分(スポーツドリンク・経口補水液)
- アルコール・カフェインは利尿作用があるため代替にならない
室内環境の整え方
エアコンや扇風機を活用し、室温は28℃以下・湿度60%以下を目安に保ちましょう。「もったいない」「体に悪い」という理由でエアコンを使わない方が多いですが、熱中症による入院・重症化のリスクのほうが大きいです。
③ 子ども・高齢者への特別な注意
子どもの場合
乳幼児・小児は体重に対して体表面積が大きく、体温調節機能が未発達なため熱の影響を受けやすい状態です。チャイルドシート内、車内の閉め切った空間、砂場・公園での外遊びなどに注意が必要です。子どもが「なんとなく元気がない」「いつもより飲みたがらない」と感じたら早めにご相談ください。
高齢者の場合
加齢とともに体温調節機能・のどの渇きを感じる感覚(口渇感)・発汗機能が低下します。自覚症状が乏しいまま重症化するケースがあるため、ご家族が定期的に声をかけて確認する工夫が有効です。
④ 受診の目安Q&A
Q. 受診すべき症状は?
以下の症状がある場合はすぐに受診、またはすぐに救急(119番)へ連絡してください。
🚨 救急・緊急受診が必要なサイン
- 意識がぼんやりする・呼びかけへの反応が鈍い
- けいれん・立てない・歩けない
- 体が熱いのに汗をかいていない
- 高熱(39℃以上)+嘔吐が続く
Q. 軽症の場合はどうすればよいですか?
涼しい場所に移動し、水分・塩分を補給して安静にすると症状が改善することがあります。30分〜1時間様子をみても改善しない場合や、症状が悪化する場合は受診をご検討ください。当院(内科・小児科)でも対応しています。
Q. 熱中症は何科を受診すれば?
軽〜中等症であれば内科(大人・高齢者)・小児科(お子様)でご相談ください。重症(意識障害・けいれん)は救急対応になります。